いつかの二人サークル

こんにちは、田丸はるかです。


漫画を描く人なら、身近な人物を漫画に描くという経験を一度はしていると思います。


私も小六の時、クラスの男子を題材に漫画を描いていました。


そのとき一番仲がよかった友達と「バレンタインデーに起こった男子たちの悲劇」をテーマとし、二人の交換ノートに挿絵入り1P小説を作成したのが始まりでした。


それが意外と面白かったので、延長線で漫画も描くようになったのです。


等身大の彼らを描くのではなく、名前・性別・年齢や世界観もすべて創作し、一つの読み物にするというこだわりがありました。

f:id:torotoro38730:20220223215350j:plain

f:id:torotoro38730:20220223215354j:plain
一番右下のコマにパポンポン星人がいます


テーマは家族物。性格がバラバラの三人姉妹、優しいけれど甲斐性のない父親、不倫して蒸発してしまった母親。ある日母親が男の子を連れて帰ってきて・・・という昼ドラ顔負けのオープニングでした。


元ネタはクラスメイトのはずなのですが、例え誰かに見られても絶対にわかりっこないほどにアレンジが施されていて、セキュリティーの面では完璧だったと今更自画自賛しています。


一枚ずつはがせるタイプの落書き帳にこつこつ描き、キリのいいところまでいったらまとめてセロハンで留め、冊子にしていました。


今思えば、私とその友達の二人サークルのようなものでしたね。


このまま二人で共同創作を続けていれば、同人誌を作ったりコミケに出られたりする未来があったのかもしれませんが、


成績がよく勉強のできるタイプの子だったので、中学にあがってからは嘘のように疎遠になってしまいました。


漫画好きは共通点でしたが、残念ながら頭の良さは不共通だったので、ジャンプやファンロードを読むようになった私と、チャレンジを定期購読して育英に通う彼女とでは釣り合わなくなってしまったのです。


そしてそのまま同じクラスになることもなく、3年間一度も言葉を交わさないまま卒業をし、成人式にもその子は来ていませんでした。


もう会うこともないのかもしれませんが、私の描いた漫画を彼女がいつも大笑いしてくれたことは、私がいま漫画を描くにあたっての大きな自信に繋がっています。